
この季節になると、当院には「タイヤを持ち上げた瞬間に腰がギクッとした」「灯油タンクを運んだら動けなくなった」というご相談が増えてきます。冬支度の作業は毎年のことなので油断しがちですが、実は腰にとってはとても負担の大きい作業が続く時期なのです。
今回は、冬支度でぎっくり腰が起きやすい理由と、腰を守るための作業のコツ、そして万が一なってしまったときの過ごし方についてお話しします。
1. 重い物を持つ機会が一気に増える
タイヤは1本でもかなりの重さがあり、灯油のポリタンクも満タンにすると18キロほどになります。普段あまり重い物を持たない方が、短い期間にこうした作業を何度もくり返すことで、腰に大きな負担がかかりやすくなります。
2. 冷えで筋肉が硬くなっている
朝晩の気温が下がると、体は熱を逃がさないように筋肉を縮こまらせます。体が温まっていない状態で急に重い物を持ち上げると、筋肉が対応しきれず、腰を痛めるきっかけになりやすいと考えられています。
3. 中腰とひねりの動作が多い
タイヤの付け外し、畑の収穫、雪囲いの準備など、冬支度には中腰の姿勢や、体をひねりながら物を持つ動作がたくさんあります。この「前かがみ+ひねり」の組み合わせは、腰に負担が集中しやすい動きです。
物を持つときは、しゃがんで体に近づける
腰だけを曲げて持ち上げるのではなく、膝を曲げてしっかりしゃがみ、荷物をお腹に近づけてから立ち上がるようにします。荷物と体の距離が離れるほど、腰への負担は大きくなります。
向きを変えるときは、足ごと動かす
物を持ったまま上半身だけをひねるのは、ぎっくり腰の大きな原因になります。向きを変えるときは、足の位置ごと体全体で向きを変えることを意識してください。
タイヤは転がし、灯油は分けて運ぶ
タイヤはなるべく持ち上げずに転がして運び、積み下ろしは無理せず家族と二人で行いましょう。灯油は半分ずつ入れて回数を分けたり、台車を使ったりするだけでも、腰への負担はかなり減らせます。
作業の前に体を温め、こまめに休む
いきなり作業を始めるのではなく、その場で足踏みをしたり、軽く腰を回したりして、体を温めてから始めましょう。長時間の中腰作業は、20〜30分ごとに一度立ち上がり、腰を伸ばす時間をとるのがおすすめです。
まずは楽な姿勢で休む
痛めた直後は、無理に動こうとせず、横向きに寝て膝を軽く曲げるなど、一番楽な姿勢で体を休めてください。
痛い場所を強くもまない
痛いところを自分で強く押したり、もんだりすると、かえって痛みが強くなることがあります。痛めた直後は、患部を刺激しすぎないようにしましょう。
痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動く
「ぎっくり腰は絶対安静」と思われがちですが、近年の腰痛の考え方では、痛みが少し落ち着いてきたら、無理のない範囲で普段の生活動作を少しずつ再開するほうが、回復しやすいとされています。痛みを我慢してまで動く必要はありませんが、寝たきりで過ごし続けないことも大切です。
次のような場合は、整体よりも先に、まず整形外科などの医療機関を受診してください。
足にしびれがある、力が入らない
尿や便が出にくい、または漏れてしまう
発熱がある、または体重が急に減っている
安静にしていても激しい痛みが続く
転倒や事故など、強い衝撃のあとに痛みが出た
これらは、骨折や神経の圧迫、内臓の病気など、ほかの原因が隠れている可能性があります。
ぎっくり腰は、ある日突然起きるように感じますが、実際には、日ごろの姿勢や体の使い方のクセ、筋肉の疲れが積み重なったところに、重い物を持つなどのきっかけが加わって起きることが多いと考えられています。以前のコラムでお伝えした「運動連鎖」のように、腰だけでなく、股関節や背中の動きが硬くなっていることで、腰に負担が集中しているケースも少なくありません。
当院では、国家資格者としてこれまで多くの腰痛と向き合ってきた経験をもとに、痛みのある場所だけでなく、全身のバランスや動きのクセを丁寧に確認しています。「毎年冬支度の時期になると腰を痛める」「ぎっくり腰をくり返している」という方は、本格的な冬が来る前に、一度ご自身の体の状態を見直してみませんか。
十和田の長い冬を、腰の不安なく過ごせるよう、お手伝いできればうれしいです。

院長 藤田 祐輝
作業療法士
介護施設や整体院、リラクゼーション店などの経験を経て「腰痛整体 猫の手」を開業。
総施術実績 10000件以上
提携院はこちら
スポーツ整体院 快癒庵ひいらぎ
https://kaiyuan-hiragi.com/
スポーツ整体ひいらぎ 三沢院
https://hiragi-misawa.com/
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